masato-ka's diary

日々思ったこととか、やったことの備忘録。

Azure、SORACOM、Futabaのサーボで金賞をもらった話。

この記事について

この記事ではIoT ALGYAN(あるじゃん)さん主催のFutaba製コマンド方式サーボIoTアプリコンテストに参加 して、考えたことや審査会当日では語りきれなかったことなどを記録として残しています。記録しないと忘れちゃう。

イベントの概要

イベントの募集ページは以下です。

algyan.connpass.com

双葉電子工業様から参加者にコマンド方式サーボモータRS304MDが配られ、2ヶ月でサーボとMicrosoft Azureを使ったIoTアプリケーションを組み上げる というのがお題でした。それ以外のテーマは自由です。

コマンド方式サーボRS304MDについて

ホビー用2足歩行ロボットにも使われているコマンド方式サーボモータです。サーボモータは通常PWMのパルス幅で角度を指定しますが、このサーボはシリアル通信で指示角度を与えて制御します。また、モータを動かすだけでなく、現在角度の取得、トルクのON/OFFやコンプライアンス制御(バネのように動かす)、モータ負荷(電流値)や電圧、温度を取得することができます。  アクチュエーションだけでなく、センシングに活用できそうというのがアイディアを考える点でもキーポイントとなりました。

www.futaba.co.jp

応募したもの

今回のコンテストで作成したアプリの詳細は以下の当日の資料をご覧ください。

サマリー

  • 小物を管理するアプリケーション
  • モータでリフター機構を作成
  • 上に乗せたものの重さをセンサーレスで計測する。
  • Microsoft Azure、SORACOMを利用する。

結果について

今回のイベントは順位がつきます。今回私は金賞をいただくことができました。 双葉電子工業様から賞状をいただきました。金賞も嬉しい話ですが、他の方の発表の中で公開したサーボモータのライブラリが思ったよりも利用いただいていたことが印象的でした。嬉しかったです。(中にはこれで間に合ったと言っていただける方もありがたや!)

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コンテスト応募の動機とお題に対して考えたこと

コンテスト応募の動機について

コンテストに応募する上で自分の動機はIoTっぽいものを作ってみたいという純粋な動機とともにまだ触ったことのない新しい技術やサービスを習得したいというモチベーションがあったためです。また、自分自身同じ趣向の人と仲良くなりたいというモチベーションがあったため、交流をキーワードに参加しました。

新しい技術という点ではAzureとSORACOMを利用したアーキテクチャを自分なりに作れていけたのでよかったかなと思います。また、サーボモータのライブラリを開発し公開を行いました。このライブラリは他の参加者からのフィードバックもあり、今後も育てていきたいなと思っています。

github.com

モータのライブラリ詳細については以下の記事です。

masato-ka.hatenablog.com

交流をキーワードに積極的にコミュニティに関わっていこうと考えて行動しました。上記のように協力をいただいたり、アドバイスや次に繋がりそうなお話もいただいたりとよかったと思います。ただ、より色んな人と話したり、Azureやクラウド周りの部分も意見が欲しかったなと若干不完全燃焼感が残っています。この部分はまた別の機会でチャレンジしていきたいです。貪欲に生きたい。

お題に対して考えたこと

応募作品を考える上で以下の3つをテーマにしました。

  1. モータからの取得情報を活用したIoTサービスを考える。
  2. Microsoft Azureを触ってIoT系のサービスやServerlessといった技術の勘所を抑える。
  3. 利用方法が明確になってなかったWioLTEとSORACOMを利用する。

これに加えて、生活の課題を解決しようというテーマで一人ブレストを行いテーマを検討しました。その他のネタとしては腕のリハビリテーションマシンなどがありましたが、機構の面白さなどから今回のネタを採用しました。

自分の作品の売りポイント

1. リフトアップ機構

ものを持ち上げる。持ち上げたものの重さを測ることができる。をキーワードにいくつかの機構を考えましたが、最終的に今回のリフト機構を採用しました。機械設計は素人なのですが、10年以上前の大学の製図の時間を思い出し、見よう見まねでOSXKeynoteで図面を起こしました。加工は東急ハンズの工房で行いました。

  • プロトタイプ2の組み立て

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以下は機構の動作動画です。動画の後半は副賞としてもらった高トルク版のRM303に差し替えています。 今まで厳しかった500mlのペットボトルも余裕。ええもんもろた。

www.youtube.com

2. Azure IoT Hub とSORACOMの連携

ここはいずれ別の記事に起こそうと思っています。タイミングよくSORACOM BeamとAzure IoT Hubの下り制御ができるようになったため、活用しました。また、SORACOM SIMのIMSIをAzure IoT HubのIDとして利用しています。そのため、認証情報はSORACOM Beamにあり、Azure IoT Hubに接続するために必要なデバイスIDもSORACOMのメタデータサービスから取得することができます。したがって次のような利点があります。

  1. バイスに固有の情報を書き込む必要がない(書き込みと設定が楽)
  2. 管理アプリケーション側からのデバイス追加処理を簡略化できる。

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他の参加者さんの作品で特に面白いと思ったアイディア

並び順に意味はありませんが当日見てなるほどなと思ったもの

1. ボトルマネージャー(すながわさん)

 サーボモータでボトルを振って、その時のサーボの負荷から水量を推定するというもの。個人的にIoT居酒屋を将来やってみたいと思っているのでこの装置は使えるなと思いました。是非資料公開いただきたい。

2. IoTアロマディフューザー bluewell(ブルーウェルさん)

 アロマオイルの瓶を複数装置の中に設置しておく。サーボモータで空気の流路を変え、遠隔から部屋の香りを制御できるというアイディア。これも何かに使えそうと思ったアイディアでした。

3. 金庫番サーボ 情報科学専門学校 IoTゼミさん

サーボモータダイアル式金庫のダイアルに使えるというものでした。遠隔からのロックや、スマホからの暗証番号設定を行えるとのこと。個人的にはワンタイムパスワードのように毎回、開錠番号が変わったりするともっと面白いのかなと思いました。

4. フライ バイ ワイキー 高瀬さん

飛行機のフライバイワイヤ方式に習って、シリンダー錠をフライバイワイヤにしたもの。フライバイワイヤってロマンがありますよね。

上記に挙げた方以外の作品もどれも力作ぞろいでしたので、コンテストの時しか見れないのは惜しいものばかりでした。どこかで一挙展示とかすると面白そうです。

Arduino ファンもくもく会について

実は準備期間中Arduinoファンもくもく会というものにも参加していました。参加の動機は前述の交流がメインでしたが、実は他の参加者の方もきており、ここでの情報交換やいただいたアドバイスがかなり参考になりました。今後も参加していきたい活動のひとつです。

arduinofun.connpass.com

感想

全体を通して大変おもしろかたです。でも準備に時間(あとお金も)をかなり使ったなと思いまいました。ここを無駄にしないためにも今後につなげていきたいです。やってみてまだ自分もこんなもの作る根気があるんだなと思ったので、これからもいろいろ挑戦していければと思います。あとチーム組んで参加できたら面白いだろうなと思いました。また今回スポンサーだった双葉電子工業さんと主催のIoT ALGYAN(あるじゃん)さんにはチャレンジの場を提供いただきかつ素晴らしい結果までいただいて感謝しかありません。これからも是非面白い企画を作っていただきたいです。参加するだけでなく企画や運営、ネタの提供などお手伝いする機会があればより嬉しいと思っています。(貧欲に生きたい。)