SORACOM Discovery 2018に参加した記録
この記事について
この記事では2018年7月4日に開催された株式会社ソラコムさんのイベントSORACOM ディスカバリーに参加した記録と感想・所感について書いています。
SORACOM Discovery 2018について
SORACOM Discovery 2018は2017年に続き2回目の開催です。キーノートを含めた29のセッションと30を超えるユーザ企業やパートナーの展示、またIoT製品に触って試せるタッチアンドトライコーナーやハンズオンセミナーなど盛りだくさんの内容になっていました。 IoTに関する技術トピックやビジネス動向、実際の応用事例まで一度に見れた貴重な機会でした。これが無料で参加できるとは。。。来年も同様のイベントがあればぜひ参加したいです。
また夜に行われたSORACOM UG(ユーザグループ)も面白い内容でした。実は今回のUGでは運営のお手伝いをさせていただきました。リストバンドとか作るとこやってました。
はじまります!リストバンドを受け取ってください!クイズ参加コードは時間になったらアナウンスがあります!
— masato_ka (@masato_ka) 2018年7月4日
夜から参加の方は一階のsoracomug受け付けで受付してください#discovery2018 #soracomug pic.twitter.com/iwsmQX39GM
UGは9月に大きなイベントを開催予定だということで、そちらもぜひ手伝っていければと思っています。
9月にSORACOM UGの1dayイベントってひっそり書いてる。 #discovery2018 pic.twitter.com/dMEr7uLekI
— masato_ka (@masato_ka) 2018年7月4日
全体所感
今回のSORACOM Discovery2018では午前のキーノートセッションで行われた新発表祭りがハイライトだったと思います。特にクラウドへの認証代行を行うKのサービスSORACOM KryptoとSORACOM Harvestに続くLのダッシュボードサービス(SORACOM Lagoon)https://soracom.jp/services/lagoon/の発表が印象深かったです。また、SORACOM LTE-M Buttonの発表も見逃せない内容でした。
- Lagoon
【新サービス発表】SORACO Lagoon
— ソラコム公式 (@SORACOM_PR) 2018年7月4日
SORACOM Harvestと連携させ、収集したデータを使い任意のダッシュボードの作成が可能、更に第三者にダッシュボードの共有ができます。また、閾値等をもうけ、アラート機能を活用することが可能になりました! #soracom #discovery2018 https://t.co/wqlgNT8nQF pic.twitter.com/RdGFSelnqL
- SORACOM LTE-M Buttonを聞いた瞬間の感想
AWS-IoTボタンのSORACOM LTE-Mで接続。プログラム可能。熱いhttps://t.co/tzIjYwC0kF #discovery2018
— masato_ka (@masato_ka) 2018年7月4日
また、当日セッションを直接聞けなかったのですが懇親会でソラコムのソリューションアーキテクト松本さんご本人から伺ったSORACOM Beamへの認証情報がSIMごとに複数設定できる新機能もF-2のSORACOMサービスを利用したIoTアプリケーションのクラウド連携で発表されたようです。個人的には嬉しい内容です。以下資料の37ページ目です。
www.slideshare.net
このブログでも紹介しているSORACOM BeamからGoogle Cloud IoT Coreへ接続する際にそうです。課題感は以下の過去記事に記載があります。今回の機能を使った接続検証の記事は別途記載します。
このようにセッション中にもアップデートがあるので、他にも見逃せないものがないか気になるます。本当の意味でのキャッチアップは大変そう。
聴講セッション
聴講したセッションは以下のセッションです。
- 《キーノートパネル》Discovery、Digitalization、Democratization 〜つながるデータがもたらす新価値〜
- IoTシステムにおけるデバイス管理とセキュリティ
- 動態管理 モノ・ヒトの位置情報をビジネスに活かす 〜車両管理・作業管理における実践効果〜
- IoT システム 最新アーキテクチャ・リファレンス ~デバイスからクラウドまでの最適解を求めて~
1. Discovery、Digitalization、Democratization 〜つながるデータがもたらす新価値〜
内容は非公開とのことだったので記載しませんが、ウェザーニュースの石橋さんが印象的でした。ウェザーニュースの流星特番が好きなので、生石橋さんが見れたのは嬉しかったです。
2. IoTシステムにおけるデバイス管理とセキュリティ
「IoTシステムにおけるデバイス管理とセキュリティ」では当日発表されたSORACOM Kriptonの解説がありました。SIMを認証キーとして利用するというコンセプト自体はソラコムサービスの当初からあった考え方だったと思います。これまでもこのコンセプトを体現するためSORACOM Endorseやメタデータサービスが存在していました。今回のSORACOM Kriptonではこの考え方をさらに進め、SIM認証を中心として、クラウド(現在はAWSの一部サービス)の鍵を作成、デバイスに対して提供する部分をSORACOM Kriptonが担うという形になります。また、認証時にSIMの情報が使えれば LTE/3GでなくてもWiFi・有線で接続するインターネット回線が使えるというのがポイントです。この場合インターネットに全くでずにセキュリティを守るというメリットはなくなりますが、大容量データや非構造化データを取り扱う際にSORACOMのサービスと連携できるのは有利になるのではないでしょうか。最近ではエッジコンピューティングなどでローカル側でデータを処理して送る方法を取ればLTE/3Gでもできなくはないと思います。どう棲みわけ関わりを作るかがポイントとなりそうだと個人的にです。いずれにせよ選択肢が増えることは良いことだと思います。
3. 動態管理 モノ・ヒトの位置情報をビジネスに活かす 〜車両管理・作業管理における実践効果〜
「動態管理 モノ・ヒトの位置情報をビジネスに活かす 〜車両管理・作業管理における実践効果〜」では物の位置情報や利用履歴などをロギングし可視化する動態管理についてのパネルディスカッションでした。ただ可視化するだけではなく、それを使って業務の改善につなげていくのがポイントというお話でした。データをどのように活用するのか、まずは仮説を立てることが重要ということが語られ、意識はしているけど重要なポイントだと思いました。
4. IoT システム 最新アーキテクチャ・リファレンス ~デバイスからクラウドまでの最適解を求めて~
SORACOMを使った複数パターンのリファレンスアーキテクチャが公開されていました。資料だけでも大変参考になるので、これからIoTのシステム構築を検討される方は見た方が良いと思います。(近いうちに公開されると思います)デジタルサイネージのシステムなどソラコムのサービスを使わない場合でもそのエッセンスは共通的で参考になります。さらにそれらがソラコムサービスを使うとより簡単に構築できることがわかると思います。
まとめ
カンファレンス自体は大変楽しめる作りになっており、魅力的なセッションばかりでどれを見るか迷うものが多かったです。ビジネスからテクノロジー、エンジニアリングまで幅広くカバーされている話を1日で聞けるのは非常に貴重な機会なので今後も続けていただきたいと思います。また、ソラコムさんの今後の方向性として通信サービスではなくSIMを中心としたIoTのインフラ提供を行っていくという強い意志みたいなものを感じました。常々ソラコムさんのサービスはIoTデバイスのPaaSサービスみたいなものだと考えています。現場にいかに素早くデバイスを開発してデプロイしていくか。そのためのプラットフォームとしてソラコムのサービスが大変便利だと考えています。(以前のLTでもそんなつもりでしゃべりました。)これからも目が離せないIoTのプレーヤーです。 話は横に逸れますがソラコムの社員さんともお話しする機会があり、みなさん気さくで中が良さそうな人たちでした。雰囲気の良いチームや組織からはやはりそれにあった素晴らしいプロダクトが出るのだなと改めて思いました。自分のチームもそうあるように頑張りたい。